軽口雑話 第17話 | 洗 濯 | ![]() |
---|
”洗濯はどうされています。”ロングステイをされていた内海夫妻から聞かれました。”私達は各々風呂に入るとき洗います。”といったら”私たちも同じです。各々自分で洗います。”との事でした。アイロンの必要な物はホテルのランドリーに出します。外へ行けば4kg、数リンギットでやってもらえます。でも時間はたっぷりあるわけですから洗濯ぐらい自分でやったて罰は当たりません。 マレーシアは、車の数は多いように思いますが、日本と比べ絶対数が少なく、排気ガスによる汚れが有りません。手で洗ってもたいした手間になりません。直射日光に当てれば、2時間でパリンパリンに乾きます。 モスクワ駐在が始まったころホテルの一人住まいは快適でした。洗濯は面倒くさいので、一日延ばしになっていました。するとホテルのお掃除のおばさんが洗濯してくれて、洗濯物が浴室に干してありました。毎日ですから、申し訳ないと言う気持ちでいっぱいでした。しばらくすると、やっぱり俺はもてるとちょっと良い気持ちになってきました。ある時、忘れものをして部屋に帰ったのですが、ちょうどおばさんが洗濯をしているところでした。なんとトイレの便器の穴に何かをつっこみ水を張って洗面器の様にして、私のシャツを便器の底になすりつけて洗濯をしています。”わあー!”と大声を出しそうになりましたが我慢して、こらえて、おばさんに感謝の言葉を言いました。何で栓をしているのか聞いて見ると、わたしの靴下でした。聞くんじゃなかった。見てしまったらもうだめです。その洗濯した洋服と靴下は、身に着けられませんでした。以後、おばさんが気を利かせて洗ってくれる前に洗濯をすませておくように自然に習慣になってしまいました。 今でも旅に出ると、洗濯物はお風呂の時に洗う習慣がずっと続いています。 こういう衛生観念の差は、スラブ系の国へ行くと大きくなるように思います。マレーシアでもこのくらいのことは有りそうに思いますが、今のところ無事にすんでいます。”自分で洗った方が安心ですよ!” 国によって衛生観念の違いや価値観の違いはどうにも摺り合わせが出来ませんが外国で暮らす以上は、この違いに神経質になると生きていけません。 |