軽口雑話 第1話 | シニア割引はパスポートを持参 | ![]() |
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KLの某ホテルにマレー系のレストランがあります。ここの食事はバイキング形式(マレーシアではビュッフェといいます。)が主で何を食べても満足できます。いろいろな祝日に”何とかフェアー”をやって、ちょっと値段を上げたり、特別割引を作っては売り上げ向上の工夫をしています。4月の目玉は、1日から30日までシニアー(55歳以上)は45%引きと言うものでした。さっそく欲に駆られて出かけました。食事を済ませて支払いの時に、我々はシニアーだと主張して勘定書を頼みました。なんと普通の値段で請求金額が入っています。早速文句を付けると”そんな年には見えない。証拠を見せろ。”といいます。ちょっとムッとしましたが、都合良く持ち合わせていたパスポートを見せました。相手もしぶしぶといった風でしたが、とりあえず45%引きの栄誉に預かる事ができました。その後も45%割引の魔力には勝てず、ちょくちょく食べに行きました。ただし食べる前にパスポートの提出をしました。45%引きのディスカウントを受けるためとはいえ何もパスポートまでと言うのが正直な気持ちです。 そういえば、ここに暮らしてし気が付くのは周りに老人(シニア)の姿が見えないということです。パリやロンドンを歩くと老人だらけ、というと大げさですが、それが普通という感じがします。日本だって老人は大勢闊歩しています。なぜ老人が居ないのか。現地の人に聞くと、”カンポンに行けばいる。”と言います。カンポンとは村の事です。マレーシア各地を回っている日本人の駐在員にそのことを話すと、”しょっちゅうカンポンを通るけど、そういえばカンポンは老人がいっぱいいる。のんびり暮らしているよ。”との事でした。この国の年金制度がどうなって、何歳から老人になるのか分かりませんが、都会からは老人が一掃されている感じがします。そして田舎に行けばお金もかからずのんびり暮らせるようです。日本だって田舎に行けばのんびり暮らせるとは思います。しかし最低限かかる費用は、都会とあまり変わりません。かなり事情が違います。 −ここの老人達はカンポンへ引っ込む、そこへ日本の老人達が来てロングステイを楽しむ。????−少々後ろめたい気がします。 それはさておき、都会にシニアがいません。それを前提にこの割引を考えたのでは、等と勘ぐってしまいます。 かみさんは私のこういう気を回した考え方は大嫌いで、”美味しいものを安く食べられたのだから良いじゃない。若く見られて光栄でしょ!”といいます。 .....そう思う事にしました。美味しいものを安く食べられて、若く見られて、その方がずっとハッピーです。はい |